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しきびとしきみの違いを徹底解説|役割・使い分け・仏事や葬儀での選び方をわかりやすく紹介

伝統的な仏壇の内部
宗教儀礼

「しきびとしきみの違い」に悩んだ経験はありませんか?

仏壇や葬儀など大切な場面で使われる植物なのに、実はその違いがはっきり分からない方も多いでしょう。

似ているようで異なる「しきび」と「しきみ」。

適切に区別して正しい使い方を知ることは、日本文化や宗教儀式の理解にもつながります。

この記事では、しきびとしきみの基本的な特徴から歴史的背景、さらに葬儀や仏教、神道における役割まで分かりやすく解説します。

違いを知ることで、場面に応じた使い分けや正しい選び方ができるようになります。

しきびとしきみの違いをしっかり理解したい方は、ぜひ続きをご覧ください。

しきびとしきみの違いについて

合掌して仏壇に手を合わせる人の手と線香や花が供えられた仏壇

しきびとしきみは、どちらも日本の伝統行事や宗教儀式に用いられる植物ですが、それぞれ異なる特徴と役割を持っています。

そっくりな名前や姿形をしているため混同されがちですが、実際には学術的にも文化的にも違いがあるため、正しい区別が大切です。

しきびとしきみの基本的な特徴

しきびは、主に関西地方でよく使われる植物で、学名はIllicium anisatumです。

葉は濃い緑色で光沢があり、枝や葉を折ると独特の香りがします。

一方、しきみは「樒(しきみ)」とも書き、しきびと同じくIllicium anisatumを指しますが、関東地方では「しきみ」、関西地方では「しきび」と呼ばれることが多いです。

どちらも有毒成分が含まれているため、食用には適しません。

名前の由来と歴史的背景

しきびとしきみの名前は、地域による呼び方の違いが由来しています。

もともと「しきみ」と呼ばれていましたが、関西地方で「しきび」と訛ったことから2つの呼び方が生まれました。

いずれも「悪しき実(あしきみ)」が変化したもので、かつては毒性を持つことから忌み植物とされていました。

歴史的には平安時代から仏教儀式で利用された記録があり、長い伝統を持つ植物です。

異なる使用方法と文化的役割

しきびとしきみは、主に仏教の供花や墓地への供え物として用いられています。

  • 仏壇や墓前に供える
  • 線香やお香の材料にする
  • 魔除けとして自宅の敷地に植える

また、神道においては別の植物(榊)を用いるため、しきび・しきみの利用は一般的ではありません。

こうした違いは、地域の風習や宗教儀式の違いにも反映されています。

仏教と神道におけるしきびとしきみの違い

仏教では、しきびやしきみは清浄な植物として墓前や仏壇に供えられます。

その強い香りが邪気を払うとされ、亡くなった人への供養にも欠かせないものです。

宗教 使用する植物 用途
仏教 しきび/しきみ 墓前・仏壇への供花
神道 榊(さかき) 神棚への供え物

一方、神道ではしきび・しきみは使われず、神棚には榊を供えるのが一般的です。

このように、宗教によって用途や意味合いが異なっています。

しきびとしきみの見分け方

しきびとしきみは見た目が非常に似ていますが、実は植物そのものは同じものを指しています。

地方による呼び方の違いがあるだけで、しきび=しきみです。

間違えやすいものとして、香りや葉の質が多少異なる場合もありますが、基本的には同一植物と考えて問題ありません。

違う植物と間違える例としては、「さかき」や「くろがねもち」などがありますので注意が必要です。

しきびとしきみと仏教の関わり

障子のある和室に設置された仏壇、供えられた線香や花が映える

しきびとしきみは、どちらも仏教の儀式や日常のお供えに使われる植物として日本の文化に深く根付いています。

これらの植物は、仏壇やお墓に供えられるだけでなく、地域や寺院によって使い分けられてきました。

名前が似ていますが、それぞれ異なる特徴や役割があります。

仏教におけるしきびとしきみの違いを理解することで、ご供養やお参りの際のマナーに役立ちます。

しきびと仏教の関わり

しきびは「樒」と書き、モクレン科の常緑樹です。

仏教においては古くからお墓や仏壇に供えられる植物として用いられてきました。

その理由の一つは、しきびが持つ独特の香りと、防腐・防虫効果にあります。

この香りによって不浄を避けるとされており、悪霊や邪気を払う意味合いも込められています。

  • しきびは一年中青々とした葉を保つため、常緑の生命力が仏教の「永遠」や「不滅」といった教えと通じています。
  • 枝が折れにくいため、困難に打ち勝つ象徴ともされています。
  • 主に西日本地域でしきびが供えられることが多いです。

しきびを使うことで、ご先祖様や仏様への敬意と感謝を表すことができます。

しきみが仏教で重宝される理由

しきみは「シキミ」や「仏前草」とも呼ばれ、仏事においてよく見かける植物です。

しきみが仏教で重宝される理由には、いくつかの背景があります。

理由 説明
毒性が強い しきみの葉や実には毒があり、動物などに荒らされにくいため、お墓や仏壇に安心して供えられます。
香りが良い 独特の芳香は悪霊除けや浄化の意味合いを持ち、仏教儀式で使われます。
一年中緑 縁起が良く、生命力の象徴となるため、供え物として縁起が良いとされています。

このように、しきみは仏教の教えに沿った意味や実用性から、伝統的に重用されてきました。

地域によって呼び名や使われ方に違いはありますが、どちらも日本の仏教文化に不可欠な存在です。

葬儀におけるしきびとしきみの使われ方

伝統的な仏壇の内部

しきびとしきみはいずれも仏教の葬儀でよく見かける植物ですが、地域によって呼び方や使い方に違いがあります。

葉に独特の香りを持つことや、殺菌効果があるとされてきたことから、古くから仏様をお祀りする場で用いられてきました。

故人や参列者への思いやり、清らかな気持ちを表現するため、大切な役割を担っています。

葬儀でのしきび使用例

しきびは、仏教の葬儀で主に祭壇や仏壇に供えられることが一般的です。

生花と一緒に花立てに活けるほか、墓前に供えるケースも多く見られます。

しきびの葉は常緑で枯れにくいため、長い期間美しさを保てるという実用的な理由もあります。

ほかにも、火葬場への入場時や仏式以外の法事でしきびを使う地域もあります。

  • 仏壇や祭壇に供える
  • 墓前に手向ける
  • 霊前へのお供えものの飾りとして
  • お盆行事や法事にも利用

しきみが葬儀で使用される場面

「しきみ」と「しきび」は、実は同じ植物を指しますが、呼び方が異なるだけです。

葬儀や仏事の際、しきみも同様に仏壇やお墓、祭壇に飾られます。

しきみの枝葉には特有の芳香成分があり、昔から邪気払いの意味合いで供えられてきました。

また、食用に適さないことから動物による荒らしを防ぐという実用面もあります。

しきびとしきみの違いがわからず迷う方もいますが、実際には意味や用途にほとんど差はありません。

呼び方 使用される場面 主な地域
しきび 仏壇・祭壇・お墓 関西地方を中心とした西日本
しきみ 仏壇・祭壇・お墓 関東地方を中心とした東日本

地域差としきび・しきみの使い分け

しきびとしきみの呼び分けは、主に地域による伝統の違いが影響しています。

関西や中国地方など西日本では「しきび」と呼ばれることが多い一方で、東日本では「しきみ」と呼ぶのが一般的です。

ですが、使用方法や意味合いには大きな差はありません。

地域の葬儀屋や仏具店でも、どちらの呼び名も通じる場合がほとんどです。

迷ったときには、周囲の習慣に合わせて使えば安心です。

しきびとしきみは、いずれも仏事や葬儀に欠かせない大切な植物であり、故人への祈りや清めの象徴として広く親しまれています。

しきびとしきみ、榊との違い

線香と仏具のアップ

しきびやしきみ、榊は、いずれも日本の伝統的な祭祀や儀式で使用される植物です。

見た目や使い方が似ているため違いが分かりにくいことも多いですが、それぞれに特徴や用途があり、場面によって使い分けられています。

榊の特徴と使用場面

榊(さかき)は、ツバキ科サカキ属に分類される常緑樹です。

主に神社や家庭の神棚に供える神聖な木として親しまれています。

葉は光沢があり、葉縁がなめらかなのが特徴です。

神様へのお供えや、祭事など宗教儀式の際に使われることが多いです。

全国的に幅広く用いられていますが、寒冷地では生育しにくいため、代わりにヒサカキなどが使用されることもあります。

しきび・しきみと榊の共通点と相違点

しきび(しきみ)は、モクレン科シキミ属に属する植物で、「仏前草」とも呼ばれます。

しきみは毒性を持つため、動物よけや虫除けの効果も期待され、特に仏教の葬儀やお墓参りに用いられることが多いです。

榊との共通点は、どちらも常緑樹で葉が切り花として長もちしやすく、宗教的な儀式に使われる点です。

  • 榊は主に神道で、神棚や神社の御供えに用いられる
  • しきび・しきみは主に仏教で、墓前や仏壇へのお供えに使われる
  • しきびには毒性があるが、榊にはない
  • 葉や実の形状が異なる

見た目だけで見分けるのは難しい場合もありますが、使われる場面や目的によって明確に区別されています。

植物名 主な用途 特徴 毒性の有無
神棚・神社
神道の儀式
光沢のある厚い葉・なめらかな葉縁 なし
しきび/しきみ 仏壇・墓前
仏教の儀式
細長い葉・独特の香り あり

このようにしきび・しきみと榊は、それぞれ宗教的な伝統や用途から選ばれており、地域や慣習によっても役割の違いがみられます。

しきびとしきみを購入する方法と価格相場

線香と仏具のアップ

しきびとしきみは、用途や宗派によって選び方が異なりますが、購入は決して難しくありません。

どちらもお供えや仏事に使われることが多いため、季節を問わず比較的簡単に手に入ります。

購入先や価格、選び方のポイントを知っておくと、用途に合ったものを安心して選べます。

しきびとしきみの購入場所

しきびとしきみは、さまざまな場所で購入することができます。

  • 花屋(生花店):仏花などを扱っている店舗でよく取り扱っています。
  • スーパーやホームセンター:生花コーナーや園芸コーナーで手に入ることがあります。
  • 仏壇店・仏具店:宗教用具やお供え物とともに、しきびやしきみを扱っています。
  • インターネット通販:生花の配送サービスや仏花専門のネットショップで全国配送も可能です。

地域や宗派によっては、しきびとしきみの呼び方が異なる場合があります。

購入時には実物や写真を確認し、ご自身の目的に合っているか確かめましょう。

価格相場と選び方のポイント

しきびとしきみの価格は、販売店やサイズ、仕立て方によって異なります。

形態 価格相場(1束あたり) 特徴
生花(葉のみ) 200円〜500円 一般的なお供え用。数量や大きさで変動。
鉢植え 500円〜1500円 長く飾りたい場合や自宅用に人気。
切り花アレンジ 300円〜800円 仏花と組み合わせて販売されることあり。

選ぶ際は、葉の色が鮮やかでみずみずしく、痛みや変色がないものを選ぶとよいでしょう。

また、花瓶や仏壇の大きさに合ったサイズを選ぶこともポイントです。

長持ちさせたい場合は、こまめに水を替えたり、涼しい場所に飾ると美しさが保てます。

しきびとしきみの違いを理解して正しく使う

伝統的な仏壇の祭壇に供えられた香炉や金の装飾が施された仏具

ここまで、しきびとしきみの特徴や使われ方についてご紹介してきました。

二つの植物は名前が似ていて混同されがちですが、実際には異なる特徴や注意点があります。

しきびは仏事に欠かせない植物で、特に西日本では仏花としてよく用いられます。

一方、しきみは有毒成分を含んでいるため、取り扱いには注意が必要です。

見た目が似ているだけに、使い分けをしっかり覚えておくことが大切です。

ご先祖さまを敬う気持ちや、正しいマナーを守るためにも、しきびとしきみの違いをきちんと意識して選びましょう。

これでしきびとしきみの違いについて迷うことなく、安心して仏花や供花として使い分けることができるようになるはずです。