入棺体験は、まだ世間に浸透していない終活の入り口です。棺に入って死者の視線に立つイベントを入棺体験と呼びますが、どうすれば入棺体験に参加できるのでしょうか?
入棺体験は、意外と身近なところで実施されています。一度は聞いたことがあるような場所で体験でき、決して近寄りがたいイベントではないのです。
死者と生ける者の感情を共有できる入棺体験。自分の人生や老後の生活を見直したいと思っている方には、とてもおすすめです。各地域で行わている入棺体験の詳細や、実際に入棺体験に参加した人の意見を確認しましょう。
入棺体験・棺桶体験ができる場所
入棺体験できる場所は、東京から名古屋まで東西南北問わず様々な場所にあります。入棺体験とはその名のとおり、棺桶に入る体験のこと。入棺体験には棺桶体験や納棺体験よいった呼び名もあります。
具体的には、以下のエリアで入棺体験が可能。
終活のいちセクションとして、これから紹介する場所で入棺体験をしてみましょう。
東京都
画像引用:まち寺
東京都では、豊島区・椎名町で入棺体験を味わえます。椎名町では、金剛院と呼ばれる施設で行われるワークショップで実施。
金剛院の入棺体験の概要を表にまとめました。
項目 | 内容 |
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開催頻度 |
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料金 | 3,000円 |
アクセス | 西武池袋線「椎名町駅北口」より徒歩0分 |
特徴 |
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金剛院のワークは参加者の間ではとても評判が高く、入棺体験をした人は口々に「幸せになった」と語っています。自分の生に感謝するためにも入棺体験をして、死がどんなものか身をもって感じましょう。
東京都ではほかにも都営新宿線や大江戸線の住吉駅にあるブルーオーシャンカフェで入棺体験をできましたが、2023年現在はブルーオーシャンカフェでの入棺体験は終了しています。
大阪府
画像引用:シタイラボ
大阪府では、2019年にオープンしたシタイラボで入棺体験を実施しています。シタイラボは東大阪市にある市設で、入棺体験以外にも葬儀をリアルに再現した体験型イベントも開催。メディアで取り上げられたこともある市設で、今後更に注目を呼ぶ施設といえます。
シタイラボの入棺体験はワークショップのような不定期開催ではなく、施設内の常設イベントとなっていっます。
項目 | 内容 |
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料金 | 4万円+税(追加オプションがあれば5万円~) |
アクセス | 大阪府東大阪市 |
特徴 |
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シタイラボではお客さんに葬儀をリアルに体験してもらえるよう、入棺前に死に化粧も施します。入棺プランには追加で僧侶の読経が「入棺白葬導師読経プラン」という追加オプションプランもあり、より一層本物のお葬式に近い経験が可能。入棺薄層導師読経プランでは、人気のニューハーフセクシー女優が導師として登場します。
弔事は、なんとお客さん本人が準備。自分の手で終活の何たるかを掴みたい方には、おすすめの施設といえるでしょう。
京都府
350年以上の歴史を持つ京都市上京区の本昌寺と、京都市東山区に位置する高台寺でも入棺体験を開催しています。本昌寺で入棺体験が催されたのは、2019年11月23日のお寺に特化したイベントでのことでした。高台寺では無料で行われており、実際に体験した人は「不思議な良い経験だった」ととイベントをとても褒めています。
本昌寺の入棺体験は、次のような内容で実施されているので表で概要を確認してください。
項目 | 本昌寺 | 高台寺 |
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料金 |
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無料 |
アクセス | 京都市上京区出水通六軒町西入七番町341 | 京都市東山区高台寺下河原町526番地 |
本昌寺で行われる葬儀に関したイベントでは、お葬式の体験だけでなく、お寺の歴史に関する知識を身に付けることも可能。お寺で行われるイベントというと少しお堅い印象ですが、檀家やお墓参りの人だけでなく近隣の方々でも気軽に参加できます。
高台寺での入棺体験は、日ごと時間帯が異なっています。朝から体験できる日や夕方のみなどバリエーションが豊富なので注意しましょう。
愛知
愛知県の入棺体験は、名古屋市の名古屋市立第二斎場と願隆寺のお寺で行われます。斎場ではイベント形式で行われ、お寺ではワークショップの一部でとして入棺体験を展開。斎場は名古屋市の名古屋市立第二斎場で、お寺は願隆寺にて行われます。
名古屋市立第二斎場 | 願隆寺 | |
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料金 | 無料 | 30,000-(税込) |
アクセス | 名古屋市港区東茶屋三丁目123番地 | 名古屋市中村区烏森町6-142 |
特徴 | 霊柩車展示なども同時開催 | 宗教宗派問わず誰でも体験可能 |
名古屋市立第二斎場でのイベントは、令和2年に行われました、2024年10月現在のイベント予定は未定ですが、再び開催される可能性は十分あるので近隣の方は斎場の情報を確認しましょう。
イオン
誰もが知る有名スーパー・イオンでは不定期に終活セミナー形式で、入棺体験を行っています。葬儀や終活を取り扱っているイオンライフ株式会社による主催イベントで、参加者の平均年齢層は70代です。
2017年4月には、千葉県のイオンタウンユーカリが丘にてセミナーが開催されました。今回はユーカリが丘でのデータをもとに概要を確認しましょう。
項目 | 内容 |
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開催頻度 |
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料金 |
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特徴 |
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イオンでのイベントなら、遠出をせず気軽に足を運べます。1人での参加割合が非常に高く、誰でも気兼ねなく参加できるアットホームなセミナーです。
無料で参加できるので、高齢でお金の悩みを抱える方も気分転換として参加可能。イオンで葬儀セミナーが行われていたら、買い物帰りや散歩のついでに少し立ち寄ってみましょう。
入棺体験・納棺体験に関するTwitterの声
Twitterでは、実際に入棺体験をした人が各々の感想を述べています。
生きている間に棺桶に入るという貴重かつ珍しい体験ですが、多くの人がその体験に前向きな感想をツイートです。
貴重な体験だった
いの⭐︎フェスで納棺体験!
棺に入って蓋を閉められる!
なんか一回死んだ気持ちになって、生きてるありがたみ感じました…貴重な体験でした。#いのフェス— かな@約束の虹†🏳️🌈🏳️⚧️ (@Xip1Z7) October 15, 2022
京都で行わた「いのフェス」で入棺体験をした人は、「生きているありがたみを感じれる貴重な体験だった」と感謝の言葉を述べています。
イベントに参加した人が深く考えないで興味本位で入棺を体験すると、死後の世界や生きていることの素晴らしさを実感できる予想外の転移になるでしょう。自分の死生観を見直すためにも、入棺体験はおすすめです。
棺桶の試着という概念
過日の入棺体験。70代の女性が「普通の棺桶なら入りたいと思わなかったのよ!この棺桶だから入りたいと思ったの!」とおっしゃってるのを聞いていろいろ考えて昨日腑に落ちた。そうか、試着なんだ!!!棺桶をファッションの文脈で語っている自分がそれに気づかなかったのは痛恨のミスだけど💦
— 可愛い棺桶GRAVETOKYO10/1-10/31は高崎OPAで日本初の葬儀具物販イベント開催! (@arekim1973) April 14, 2023
入棺体験をした女性が、棺に入ることを棺の試着という概念でとらえると発言していました。棺や棺桶は、死をイメージさせる少し近寄りがたいもの。
このユーザーが出会った70代の女性は「おしゃれな棺だからこそ入りたいと思った」と、まるで洋服を試着するような感覚で入棺体験に臨みました。昨今はAmazonなどでかわいい棺を販売しています。もしファッション感覚で終活を学びたい方は、ネットショップでおしゃれな仏具を探してみましょう。
居心地が良い
納棺体験してきました。蓋を閉めて3分間、真っ暗な棺の中にいました。居心地よくて、なんなら一晩お泊まりしたいくらいでした。外の話し声は聞こえているのに、私だけ隔絶された世界にいるような……初めての感覚でした。このくらいポップにお葬式出来たらいいですね。 pic.twitter.com/qJSgGS7JAB
— 美貴ヲ(ノーフォークテリア♀) (@mikiwo65) March 28, 2023
棺の中は思ったより居心地が良いという意見も。このユーザーはー3分間棺に入ったようですが、心地よすぎて一晩泊まりたいくらいとコメントしています。ベッドのように寝心地が良いのでしょう。
棺の中は、真っ暗で静かで怖いと想像している人も多いはず。ぜひ入棺体験をとおして、棺の中の空間のイメージをガラリと変えてください。
パーソナルカラーとの相性
納棺体験。ピンクの棺に入った時よりイエローの棺に入った時の方が確実に肌の色が明るく見えた。棺桶選びの際にも、イエベ・ブルベの概念は重要だということがわかった。ちなみに私はイエベ秋。 pic.twitter.com/oTSBJ7o4Dn
— 美貴ヲ(ノーフォークテリア♀) (@mikiwo65) March 28, 2023
女性で入棺体験を検討している方は、パーソナルカラーに注意しましょう。せっかくシャッターを切るなら、自分のパーソナルカラーに合った棺を選びたいものです。
イエローベースの人には黄色やオレンジなど明るいカラーの棺が、ブルーベースの方にはピンクやパープルなど柔らかなカラーの棺が似合うでしょう。ポップで楽しい入棺体験にすべく、自分の肌色に映える棺を選んでください。
終活において入棺体験をするメリット
入棺体験には、棺桶に入ることでしか感じられないメリットがあります。
特殊な体験なので最初の一歩を踏み出せない人も多いですが、いざ体験すると様々な利点に気付けるでしょう。
人生を見つめ直すきっかけになる
Twitterでは「生きていることのありがたみを感じられた」と投稿している人もおり、入棺体験や棺桶体験は自分の人生を見直す大事なきっかけになるといえます。
棺桶に入るときに一番最初に考えるのは、「死者がどう思うか」でしょう。ネガティブな印象が付き纏う葬儀ですが、入棺体験をすると死への恐怖が薄らいで人生とまっすぐに向き合えるです。中には長生きしたいと、これからの人生に希望を抱く人もいるでしょう。
普段の何気ない日常に感謝が足りないと思っている方は、入棺体験で自分の人生への考え方を見つめ直してください。
終活や葬儀を身近に感じられる
入棺体験では弔事が読み上げられるなど、本物の葬儀同様の動作が行われます。入棺体験をした人の多くが「入棺体験をすると終活や葬儀が身近なものに思える」と発言。
「まだお葬式なんて遠い未来の話」なんて思っている方も、入棺体験をイベントのひとつとして体験すると終活や葬儀に対する考え方が変わるはず。長い人生を広い視野で見つめるために、入棺体験に参加してみましょう。
入棺体験・納棺体験のさらに詳しいメリットは、下記の記事で紹介しています。
入棺体験で終活をより身近に感じられる
斎場や施設でイベントとして行われている入棺体験は、葬儀や終活を身近なものに感じる手段として画期的。年齢や性別問わず参加できる貴重な体験なので、少しでも興味があれば参加してみましょう。
多くの施設では、ワークショップやセミナーの一部として入棺体験を行っています。料金や日程はそれぞれの会場で異なるので、事前にホームページなどを確認してください。
終活は、今やお年寄りだけのものではありません。若い人でも自分の人生プラン構築として、終活を始める人が増えています。入棺体験で、お葬式や終活に対する理解を深めましょう。