愛する方を見送った後、「納骨に必要な書類が何なのか分からず不安」という方は多いのではないでしょうか。
心を落ち着けて弔いたい気持ちがあっても、手続きや書類の準備に追われて戸惑ってしまうことも少なくありません。
この記事では、納骨に必要な書類について、絶対に外せないものや取得方法、万が一の紛失時の再発行まで、実際の流れに沿って丁寧に解説します。
大切な日に向けて、必要な準備を安心して進めるためのポイントを分かりやすくご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
納骨に必要な書類とその取得方法

納骨を行う際には、さまざまな書類が必要となります。
これらの書類は故人の身元や火葬・埋葬の手続きに関するものであり、市区町村などの公的機関で取得します。
必要な書類は納骨の種類や納骨先によって異なる場合もあるため、事前に寺院や霊園、納骨堂の管理者に確認しておきましょう。
必須の納骨書類一覧
納骨時に必ず提出を求められる書類は主に次の通りです。
- 埋葬許可証
- 火葬許可証
- 死亡届の受理証明書
- 納骨申込書(施設による)
- 遺族や申請者の身分証明書
- 埋葬(納骨)先の使用許可証、もしくは契約書
これらの書類は、火葬や埋葬、納骨のすべてのプロセスが適切に行われた証明となります。
埋葬許可証の取得手順
埋葬許可証は、死亡届を提出し火葬許可証を受け取った後、火葬場にて火葬を終えた際に返却されます。
火葬を終えた遺骨を納骨する際、この埋葬許可証が必須の書類となります。
- 死亡届を市区町村役場で提出する
- 火葬許可証を役場で発行してもらう
- 火葬場に火葬許可証を提出し火葬を実施
- 火葬後、火葬担当者から埋葬許可証が発行・返却される
- 埋葬・納骨先へ埋葬許可証を提出する
取得手続きは市区町村によって若干異なる場合があるため、担当窓口で確認してください。
火葬許可証と埋葬許可証の違い
火葬許可証と埋葬許可証は、納骨に関する二つの非常に重要な書類ですが、それぞれの用途や取得方法が異なります。
書類名 | 発行タイミング | 使い道 | 発行機関 |
---|---|---|---|
火葬許可証 | 死亡届提出時 | 火葬場で火葬実施時に提出 | 市区町村役場 |
埋葬許可証 | 火葬終了後(火葬許可証が返却) | 納骨や埋葬時に提出 | 火葬場・市区町村役場 |
火葬許可証は死亡届受理後に交付され火葬に必要です。
埋葬許可証は火葬を終えた遺骨の納骨・埋葬時に必要となります。
書類の再発行手続き
万が一、埋葬許可証や火葬許可証を紛失してしまった場合も、再発行が可能です。
再発行には、死亡届を出した市区町村役場の窓口にて申請を行います。
必要な書類や本人確認書類を求められるので、事前に役所に問い合わせて持参すべきものを確認すると安心です。
再発行には数日かかる場合もあるので、納骨の予定が近い場合は早めに手続きを行いましょう。
納骨堂購入時に必要な書類
納骨堂を新たに購入または契約する場合は、通常の納骨時と異なる追加書類が求められることがあります。
主な必要書類は以下の通りです。
- 埋葬許可証または火葬許可証
- 購入者(契約者)の身分証明書
- 住民票または戸籍謄本
- 印鑑証明書(契約時)
- 納骨堂の契約申込書・申請書
納骨堂によっては独自に求められる書類がある場合もあるため、事前に契約先へ必要書類を確認しましょう。
納骨の流れと必要な準備

納骨をスムーズに進めるためには、主な流れや事前準備を把握しておくことが大切です。
手続きごとに必要となる書類が異なるため、各段階での準備物リストをしっかり確認しましょう。
死亡届の提出と初期手続き
身近な方が亡くなった際は、まず死亡届の提出から始まります。
死亡届は、通常、医師が作成した「死亡診断書」とともに市区町村役場へ提出します。
この手続きによって戸籍上の死亡が正式に認められ、その後の火葬や納骨の準備を進めることができます。
火葬許可証の発行も市区町村役場で行われます。
この火葬許可証が納骨においても必要な大切な書類となるので、大切に保管してください。
- 死亡診断書
- 死亡届
- 火葬許可証
- 印鑑(届出人のもの)
火葬後の納骨手続き
火葬が終わると、「埋葬(納骨)許可証」が交付されます。
この埋葬許可証は、実際に納骨を行う段階で墓地管理事務所に提出することが義務付けられています。
また、寺院や墓地の指定書式がある場合はそちらも準備が必要です。
書類名 | 発行場所 | 主な用途 |
---|---|---|
火葬許可証 | 市区町村役場 | 火葬の許可、火葬後の証明 |
埋葬許可証 | 火葬場 | 納骨の許可、納骨時の提出 |
墓地使用許可証 | 墓地管理事務所 | 墓地の使用証明 |
墓地管理事務所での対応
実際に納骨をする際は、墓地の管理事務所で手続きを行います。
この際、事務所によっては必要書類や手続き内容が異なる場合があるため、必ず事前に確認しましょう。
一般的には以下のものが必要とされています。
- 埋葬許可証
- 墓地使用許可証
- 申請書類(墓地管理者指定のもの)
- 認印
また、家族だけでなく、寺院や僧侶の同席が必要なケースもあるため、関係者としっかり相談して予定を立ててください。
不明点があれば、墓地や霊園の管理事務所へ直接問い合わせるのがおすすめです。
納骨式の日程調整と準備

納骨式を円滑に執り行うためには、日程調整や招待状の用意、僧侶や参列者への連絡など、事前にしっかりとした準備が欠かせません。
ご家族や親族の意向を尊重しつつ、関係者全員が落ち着いて式に臨めるよう手配していきましょう。
納骨式の日程決定のポイント
納骨式の日程を決める際は、ご家族やご親族の都合を第一に考えることが大切です。
また、お寺や霊園のスケジュール、僧侶の都合、仏教の忌日(三十五日や四十九日法要など)なども確認しましょう。
納骨式は葬儀から比較的早い時期に行う場合や、一周忌・三回忌などの法要に合わせることもあります。
決定時に考慮したい代表的なポイントを以下にまとめます。
- ご家族・ご親族の参加可能日
- お寺・霊園の予約状況
- 僧侶の都合
- 命日や法要の希望日
- 地域や宗教による風習
できる限り多くの方が参加できる日程を選ぶことが、納骨式を心温まるものにするポイントです。
納骨式の案内状と招待状の用意
納骨式の日程が決まったら、速やかに案内状や招待状の準備を始めましょう。
案内状には、式の日時・場所・集合時間や持ち物、服装などの詳細情報を記載します。
正式な文面で作成することで、招待された方々に敬意を表すことができます。
案内状の内容例を下記の表に示します。
項目 | 記載内容の例 |
---|---|
日時 | 令和〇年〇月〇日 午前11時より |
場所 | △△霊園第○区○番地 |
集合時間 | 午前10時50分 現地集合 |
持ち物 | 数珠・お供え物等 |
服装 | 平服または喪服 |
親族以外にも、故人と縁深い友人や知人など必要に応じた方々にも案内を出しましょう。
僧侶や参列者への連絡
納骨式を仏式で執り行う場合は、事前にお寺や僧侶に日程と場所を伝え、読経や法要の依頼を行います。
参列者への連絡は電話やメールが一般的ですが、出欠確認や出席可否の返事も分かりやすく伝えるとスムーズです。
式の規模や希望に応じて、連絡先リストを整理しておくと良いでしょう。
連絡時の主な注意点を以下に挙げます。
- 日時・場所・集合時間の明記
- 施主(主催者)の氏名・連絡先を明確にする
- 食事や車など、当日の案内事項も伝えておく
- 僧侶へは読経料(お布施)の準備も相談する
- 参列者への返信依頼(出欠確認)も忘れずに
円滑な納骨式のためには、丁寧な連絡と情報共有が大切です。
納骨式当日に必要なもの

納骨式の当日は、故人を偲ぶ大切な時間です。
スムーズに進行できるよう、事前に必要なものを準備しておきましょう。
安心して当日を迎えられるよう、ポイントごとにまとめました。
骨壷と関連品の準備
納骨式で最も重要なものが、故人のご遺骨が納められた骨壷です。
骨壷には、ほこりや汚れから守るカバーや覆いも必要になることがあります。
また、納骨堂やお墓によっては、埋葬許可証も忘れずに持参しましょう。
必要なもの | 備考 |
---|---|
骨壷 | 必ず持参しましょう |
骨壷カバー(覆い) | 自宅から持って行く場合が多いです |
埋葬許可証 | 役所で発行された原本が必要です |
骨壷や関連品は忘れ物がないよう、リストアップしてチェックしておくと安心です。
供え物や数珠の準備
供え物と数珠は、納骨式では欠かせない持ち物です。
- 果物やお菓子などの供え物
- お花(故人の好きだったものを選ぶと良いでしょう)
- 自分用の数珠
- お線香・ろうそく
お供え物は、地域や宗派によって決まりが違うこともあるので、事前に家族で相談しましょう。
数珠は参列者それぞれが持っていくのがマナーです。
また、お線香やろうそくも持参すると、式がより厳かな雰囲気になります。
感謝状や礼状の用意
納骨式に参列してくれた親族やお世話になった方々には、感謝の気持ちを伝えるためのアイテムも大切です。
特に感謝状や礼状は、後日郵送することもありますが、当日に直接手渡しすることで気持ちが伝わりやすくなります。
タオルや小物の返礼品と一緒に渡すケースも多いです。
あらかじめ用意しておけば、慌てることがありません。
納骨に必要な書類に関するまとめ

納骨にあたり、どのような書類が必要なのか事前に把握しておくことで手続きがスムーズになります。
ご家族やご親族の方が安心して納骨に臨めるよう、本記事でご紹介した内容を事前準備の参考にしていただければ幸いです。
霊園や納骨施設によって細かな必要書類は異なる場合がありますので、事前に確認しておくことも大切です。
大切なご家族を見送る納骨の手続きが無理なく進むよう、しっかり準備を進めてください。