大切な方を偲び、残された家族がそれぞれの想いを形にする分骨ですが、「分骨を自分でする場合、どんな手順や準備が必要なのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。
分骨を自分で行う際には、法律面や証明書取得、実際の分骨方法など、知っておくべきポイントがいくつもあります。
この記事では、分骨を自分でする際の基本的な流れから必要な準備、供養方法の選択肢、そして注意点までわかりやすく解説します。
いざという時に慌てないためにも、正しい知識と準備を知りたい方は、ぜひ続きをご覧ください。
分骨を自分でする方法とその流れ

分骨とは、ご遺骨の一部を複数の場所に分けて納めることを指します。
分骨はお墓や仏壇、自宅の手元供養など、さまざまな目的で行われています。
自分で分骨を行う場合には、タイミングや手順、注意点に気を付ける必要があります。
ここでは、分骨を自分でする具体的な方法と、それぞれのケース別の流れを解説します。
火葬後に分骨する手順
火葬後の分骨は、最も一般的な方法の一つです。
火葬場でご遺骨を骨壺に納める際に、分けて取ることができます。
- 火葬が終わったら、収骨の際に分骨する旨を火葬場の係員に伝えます。
- 分けたいだけのご遺骨を、小分け用の容器または骨壺に分けてもらいます。
- 分骨用の骨壺や袋は、あらかじめ自分で用意しておくとスムーズです。
- 必要に応じて、分骨証明書の発行についても火葬場で依頼します。
- 分骨したご遺骨を大切に持ち帰り、納骨や手元供養を行います。
火葬後すぐに分骨することで、トラブルを防ぎやすく、証明書の取得も簡単です。
納骨前に自宅で分骨する方法
お墓や納骨堂に納める前に、自宅で分骨することもできます。
手順 | ポイント |
---|---|
骨壺から必要なご遺骨を取り分ける | 清潔なスプーンやピンセットを使うと安心です |
分骨用の容器にご遺骨を納める | 分骨用の骨壺やカプセル、専用の袋が便利です |
納骨や供養の予定に合わせて保管する | 湿気や直射日光を避けて大切に管理しましょう |
分骨証明書が必要か確認する | お墓や納骨堂によっては証明書が求められることがあります |
自宅で分骨する場合は、衛生面や取り扱いに注意し、ご遺骨がこぼれたりしないよう気を付けましょう。
必ず手を清潔にし、適切な容器を使ってください。
納骨後のお墓からの分骨手順
すでにお墓や納骨堂に納めたご遺骨を分骨したい場合は、少し手間がかかります。
多くの場合、墓地の管理者や寺院の協力が必要になるので、事前に相談しましょう。
一般的な流れは以下のようになります。
- まず墓地や寺院に分骨の旨を相談します。
- 分骨のためにお墓や納骨堂を開ける日程を決めます。
- 管理者の立ち会いのもと、ご遺骨の一部を取り分けます。
- 分骨証明書の発行を依頼し、お墓の記録も更新してもらうと安心です。
- 分骨したご遺骨は、手元供養や別のお墓に納めます。
すでに納骨したご遺骨を分骨する場合、宗教的な儀式や作法が必要なこともあるため、トラブルを避けるためにも必ず関係者と情報共有しましょう。
自分で分骨する際に必要な準備物と証明書

自分で分骨を行う場合は、事前にしっかりとした準備と必要な証明書類の手配が必要です。
分骨はご遺骨を複数の場所に分けて納骨したり、ご自宅でご供養したい場合などに行われますが、寺院や霊園での手続き、移動の際のルールなどを理解し、トラブルを防ぐことが大切です。
特に分骨証明書などの書類は分骨に必須となるため、余裕をもって準備しておきましょう。
分骨証明書の取得方法
分骨証明書は、ご遺骨を納めている寺院や霊園、墓地の管理者から発行してもらう書類です。
分骨証明書は、ご遺骨を新しい納骨先へ移動したり、自宅供養のために一部を持ち帰る際の正式な証明となります。
取得方法は以下の通りです。
- ご遺骨を管理している寺院や霊園の管理事務所に連絡を入れる
- 分骨を希望する旨を伝え、分骨証明書の発行を依頼する
- 身分証明書や埋葬許可証など、必要な書類を提示する
- 寺院や霊園側で分骨の手続きを行い、証明書を発行してもらう
- 証明書の発行には数日かかることがあるので、日程には余裕をもつ
また、分骨証明書にはご遺骨の氏名・没年月日・分骨を行う理由などが記載されます。
分骨するご遺骨の一部を正当に移動するために非常に重要な書類であり、新しい納骨先でも提出を求められることが多いので、大切に保管しましょう。
必要となる道具と準備物
分骨を自分で行う場合には、いくつかの道具や準備物が必要です。
下記の表に、主な準備物と用途をまとめました。
必要なもの | 用途 |
---|---|
分骨証明書 | 正式に分骨したことを示す書類。新しい納骨先で必要 |
小型の骨壺 | 分骨用のご遺骨を納めるために使用 |
骨袋(覆い袋) | 骨壺を包み清潔に保つために使用 |
手袋 | ご遺骨を扱う際の衛生のため |
箸やスコップ | ご遺骨を分ける際に使用(骨壺の大きさに合わせて準備) |
道具は葬儀社や仏壇店でも揃えることができますし、寺院や霊園でも相談に乗ってくれる場合があります。
また、分骨する際はご遺骨や骨壺の取り扱いに細心の注意を払い、ご家族など立ち会いのもとで行うと安心です。
分骨による供養方法とその選択肢

分骨とは、ご遺骨を複数の場所に分けて供養する方法です。
ご家族やご親族の希望に合わせて、様々なスタイルの供養を選択できます。
近年では、伝統的な供養方法に加え、自由な発想での供養も増えています。
分骨を自分で行う場合も、手続きやマナーを守ることが大切です。
新しいお墓に分骨して供養する
新しいお墓に分骨する方法は、従来の供養スタイルのひとつです。
たとえばご実家のお墓とは別に、新しく家族用のお墓を用意して分骨するケースがあります。
遠方に暮らすご親族にもご先祖を近くで供養してほしいという思いから選ばれることが多いです。
新しいお墓への分骨には、事前に寺院や霊園に相談し、分骨証明書を発行してもらいましょう。
また、お墓の管理方法や費用についても事前に調べておくと安心です。
手元供養の方法とアイデア
手元供養とは、ご遺骨の一部を自宅で保管し、日々身近に感じることができる供養方法です。
最近では、おしゃれな骨壷やペンダントなど、さまざまな手元供養グッズが販売されています。
手元供養の主な方法例は以下のとおりです。
- 小さな骨壷に分骨して仏壇に安置する
- 分骨したご遺骨をペンダントやキーホルダーに入れる
- 写真立てやオブジェにご遺骨を納める
- 自宅の思い出コーナーに分骨の一部を置く
自分らしい方法で、ご故人様をいつも身近に感じながら供養できます。
散骨による自然な供養方法
散骨は、ご遺骨を海や山、樹木の下など自然の中にまく供養方法です。
「自然に還る」という考え方から、近年人気が高まっています。
散骨を行う際は、各自治体の条例やマナーをしっかり確認しましょう。
また、ほかのご遺族や親戚とよく話し合い、理解を得てから進めることが大切です。
散骨場所 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|
海 | 開放的で心が安らぐ | 船の手配や時期の確認が必要 |
山や森林 | 自然と一体となれる | 私有地かどうかの確認 |
樹木の下 | 樹木葬の一種として人気 | 管理団体がある場合も |
散骨の方法は業者に依頼するだけでなく、自分で手配することも可能です。
本山納骨での供養手順
本山納骨は、お寺の本山や有名寺院にご遺骨を納める供養方法です。
宗派を問わず多くの方が選んでおり、安心感や由緒のある場所での供養を望む方に向いています。
本山納骨の主な流れは次のとおりです。
- 本山寺院に問い合わせて申し込む
- 必要書類(分骨証明書など)を提出する
- 納骨料や供養料を納める
- 指定された日に納骨式に参列する
本山納骨を希望する場合は、それぞれの寺院ごとの受付方法や費用、必要書類を事前に確認しましょう。
分骨の一部を本山に納めることで、安心した気持ちで長く供養を続けることができます。
分骨を自分でする際の注意点とポイント

分骨を自分で行う場合には、事前に知っておきたい注意点や守るべきルールがいくつかあります。
法律上の手続きや親族間での話し合いがとても大切になるため、しっかり準備して進めることが大切です。
分骨に伴う法律的な注意点
分骨を自分で行う場合、法律や自治体のルールに注意が必要です。
まず、日本の法律では遺骨を分けたり移動したりする場合、市区町村役場に「分骨証明書」の発行を申請する必要があります。
この書類は新たにお骨を納める場所や、移動先の墓地・納骨堂などで求められることが多いです。
また、火葬許可証や埋葬許可証も関係機関から必要とされる場合があるので、どの書類が必要か事前に確認しましょう。
分骨の際に必要となる主な書類と、その役割を以下の表にまとめます。
書類名 | 発行先 | 用途・役割 |
---|---|---|
分骨証明書 | 市区町村役場 | 分骨先の受入れ時に必要 |
火葬許可証 | 市区町村役場 | 火葬の事実を証明する |
埋葬許可証 | 市区町村役場 | 埋葬が適法であることを証明する |
また、自治体によって分骨の取り扱い方法に違いがあるため、必ず事前に問い合わせて確認することが失敗しないポイントです。
違法に分骨を行ってしまった場合、罰則が科されることもあるので注意が必要です。
ルールを守り、安心して分骨を行いましょう。
親族や関係者との調整が重要
分骨を自分で進める際は、親族や関係者との調整も非常に大切です。
分骨は大切な人の遺骨を分ける行為になるため、感情的な問題や意見の違いが生じやすいです。
トラブルを避けるために、分骨を考え始めた段階からしっかりと話し合いを持ちましょう。
- 分骨の理由や必要性をきちんと説明する
- 分骨する場所や方法を相談して決める
- 親族全員の了承・同意を確認する
- 手続きや費用分担について事前に取り決めをする
- 分骨証明書など書類の取り扱い方法を共有する
これらのポイントを押さえておくことで、円滑に分骨が進めやすくなり、後のトラブルを防ぐことができます。
親族だけでなく、故人に関係のあった方やお世話になったお寺などとも連絡を取り、誤解が生まれないよう配慮しましょう。
分骨を自分で行う際の重要なまとめ

分骨を自分で行う場合、故人を偲ぶご家族の気持ちや宗教的な配慮だけでなく、法律やマナーにも十分に注意する必要があります。
これまでの内容を参考に、必要な手順や準備をしっかり行い、不安な点がある場合は専門家やお寺に相談すると安心です。
大切なご遺骨を取り扱うにあたり、心を込めて丁寧に進めていけば、後悔のない分骨ができるでしょう。
ご家族みんなが納得し、穏やかな気持ちで故人を見守れるような形を選んでください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。