喪中の時期に「暑中見舞い」を送ってもよいのか、不安に感じたり迷う方は少なくありません。
大切な相手へ心遣いを示したい一方で、マナーや表現、タイミングを間違えてしまうのでは…と悩むことも。
この記事では、喪中のときに暑中見舞いを送る際の基本や注意点、適切な言葉選びやはがきの選び方、さらに残暑見舞いやお中元など他の挨拶状との違いについても解説します。
喪中に配慮しつつ、相手の心に寄り添う暑中見舞いを送りたい方は、ぜひ参考にしてください。
喪中に暑中見舞いを送る際の基本と注意点

喪中の期間は大切な方を亡くされた方に配慮しながら、季節の挨拶を行う特別な時期です。
そのため、手紙やはがきを送る際にも、普段以上に相手の気持ちを思いやることが求められます。
特に暑中見舞いは、相手の健康を気遣う意味合いが強いため、喪中の方にも適切な形で送ることができます。
ただし、選ぶ言葉やはがきのデザインには注意が必要です。
喪中でも暑中見舞いは問題なく送れる理由
喪中は、一般的にお祝いごとや華やかな行事を控える期間とされています。
しかし、暑中見舞いは「おめでとう」や「祝う」内容ではなく、相手の健康を気遣うための季節の挨拶状です。
そのため、喪中の相手に対して送ることに問題はありません。
むしろ、お悔やみの気持ちと共に心温まる気遣いが伝わり、相手にも喜ばれることが多いです。
ただし、お祝い事と混同される表現や明るすぎるデザインには注意しましょう。
暑中見舞いを出す時期とタイミング
暑中見舞いは、一般的に7月初旬から8月7日頃(立秋前日)までに送るのが目安です。
立秋を過ぎた場合は「残暑見舞い」として出すのがマナーとなります。
喪中の方に送る場合も、この時期を守ることで、失礼のない対応ができます。
- 7月上旬~8月7日頃:暑中見舞い
- 8月8日~8月末頃:残暑見舞い
時期を間違えると印象も変わるため、注意して出しましょう。
喪中の際に避けるべき言葉と表現
喪中の方へ送る際には、祝賀やお祝いを連想させる言葉は避けましょう。
また、賑やかすぎる表現や過度な明るさを感じさせる文章も控えるのが無難です。
避けたい表現 | おすすめの表現 |
---|---|
おめでとうございます | ご自愛ください |
お祝い申し上げます | 暑い日が続いておりますが |
楽しい夏をお過ごしください | どうかご無理なさいませんように |
文章はできるだけ穏やかで、励ます気持ちを込めて送りましょう。
質素で礼儀正しいはがきの選び方
喪中の暑中見舞いには、色やデザインにも配慮しましょう。
派手すぎるものやカラフルなイラスト入りは避け、落ち着いた色合い、白または淡い色のはがきが適しています。
花柄や風景など、控えめでシンプルなものを選ぶとよいでしょう。
もし迷った場合は、無地のはがきや、上品な和紙素材のものもおすすめです。
相手の心情に寄り添う気持ちを込めて選びましょう。
暑中見舞いの具体的な文例と書き方
喪中の方へ送る際は、冒頭でお悔やみの気持ちをお伝えし、続けて相手の体調を気遣う内容を記します。
堅苦しくなりすぎる必要はありませんが、礼儀はしっかりと意識しましょう。
下記は具体的な文例です。
- 「暑中お見舞い申し上げます。このたびはご不幸に際し、改めてお悔やみ申し上げます。暑さ厳しき折、どうかご自愛くださいますよう心よりお祈り申し上げます。」
- 「暑い日が続いておりますが、ご体調はいかがでしょうか。ご無理なさらず、健やかな日々をお過ごしください。」
- 「ご家族様もどうぞご自愛くださいませ。」
相手の状況を思いやった、一言添えるだけで、温かい印象になります。
喪中に関する残暑見舞いの配慮とマナー

喪中の期間における暑中見舞いや残暑見舞いには、送り手の気持ちと相手への思いやりが一層大切になります。
相手の心情を理解し、ご家族を失った悲しみや喪に服しているお気持ちに配慮した文面や贈り物選びが求められます。
形式的になりがちなシーズンメッセージですが、喪中であることを考慮して慎重に対応しましょう。
喪中の相手に残暑見舞いを送る際の配慮
喪中の方に残暑見舞いを送るときは、いつも以上に相手の気持ちに寄り添うことが大切です。
派手なデザインやお祝いの言葉は避け、落ち着いた色合いや、シンプルなイラストのはがきを選ぶよう心がけましょう。
文面も「ご冥福」など宗教的な表現は控え、「ご自愛ください」といった気遣いの言葉を重視します。
- お祝い事を連想させる内容や絵柄は避ける
- 差出人や受取人の名前にも配慮し敬称を使う
- 日常の様子や健康を気遣う短めのメッセージにする
- 故人について触れる場合は簡潔かつ丁寧に
残暑見舞いと暑中見舞いの違いとその対応
暑中見舞いと残暑見舞いは、送る時期や意味合いに違いがあります。
暑中見舞いは梅雨明けから立秋(例年8月7日ごろ)までの間、残暑見舞いは立秋を過ぎてから8月いっぱい、または9月初旬までに送ります。
喪中の場合でも、両者のマナーは少し異なります。
種類 | 送る時期 | 相応しい表現 |
---|---|---|
暑中見舞い | 梅雨明け〜立秋前日 | 「暑さにお気をつけて」「ご自愛ください」など |
残暑見舞い | 立秋~8月末頃 | 「残暑厳しき折」「ご健康お祈りします」など |
特に喪中の場合は、相手の気持ちを考え、季節の挨拶を控えめに伝えることが望ましいです。
残暑見舞いを送る適切な時期の選択
残暑見舞いを送るタイミングはとても重要です。
立秋(例年8月7日ごろ)を過ぎてから8月末日までが、一般的な目安とされています。
ただし地域ごとに暑さのピークは違うため、9月上旬までに届くようにすれば失礼になりません。
喪中の相手へは、四十九日が過ぎてから送るのが安心です。
法要の日取りがわからない場合は、時期を少し遅らせる配慮も大切です。
喪中見舞いとの同封がふさわしい品物
残暑見舞いや喪中見舞いにあわせて品物を同封する場合は、派手でないシンプルな贈り物を選びましょう。
お菓子やお茶など日常に使えて消え物であるものが最適です。
花の場合は白や青など落ち着いた色味のもの、供養の意味を込めた線香やタオルもおすすめです。
- 落ち着いた色合いや包装にする
- 賞味期限が短すぎる生ものは避ける
- 派手なリボンや包装紙は使わない
- 相手の宗教・風習に合った品物を選ぶ
同封する際には、品物についての一言や健康を気遣う言葉も添えると、より思いやりが伝わります。
喪中における暑中見舞いと似た挨拶状の比較と選択

喪中となると、日常の挨拶状や贈り物において配慮が必要になります。
暑中見舞いをはじめとする季節の挨拶状も、その例外ではありません。
喪中の時期にふさわしい挨拶状選びやマナーを知っておくことで、相手への思いやりをきちんと伝えることができます。
ここでは、喪中でも失礼にならない季節の挨拶状の種類と、その選び方について比べながら解説します。
寒中見舞いとの使用タイミングと違い
暑中見舞いと寒中見舞いは、どちらも季節の変わり目に相手の健康を気遣うための挨拶状です。
しかし、喪中では暑中見舞いよりも寒中見舞いを選ぶことが多くなります。
項目 | 暑中見舞い | 寒中見舞い |
---|---|---|
送る時期 | 7月初旬〜8月7日頃(立秋前) | 1月5日頃〜2月4日頃(立春前) |
喪中で使えるか | 使う場合は文面に配慮が必要 | 喪中の挨拶状としてよく用いられる |
主な目的 | 暑さを気遣う | 寒さを気遣う/喪中の報告に代える |
暑中見舞いは「お祝い」や華やかな意味合いは薄いですが、喪中の際には「お悔やみの気持ち」や「喪中である旨」を文章に入れるのが一般的です。
一方、寒中見舞いは喪中はがきの代わりとして使えたり、年始の挨拶を控えた場合の御礼やお知らせにも適しています。
お中元を贈る際の注意点と喪中ならではのポイント
お中元もまた、季節の挨拶として欠かせない贈り物ですが、喪中の場合には選び方や送り方にいくつかポイントがあります。
- 配送時期を原則として四十九日以降、忌明け後にする
- のし紙は「無地のし」か、控えめなタイプにする
- お祝いの言葉や華やかな表現は避ける
- 品物に香典返しと間違われるものは選ばない
- 送り状や添え状に、喪中であることを一言添えると丁寧
お中元自体は「日頃の感謝」を込めた贈り物なので、マナーを守れば喪中でも失礼にはあたりません。
ただし、相手や自分がまだ深い悲しみにある場合は、無理に贈る必要はありません。
その他の季節の挨拶状と喪中の配慮
季節の挨拶状には、暑中見舞いや寒中見舞い以外にもさまざまな種類があります。
挨拶状の名称 | 送る時期 | 喪中配慮のポイント |
---|---|---|
年賀状 | 12月〜翌年1月初旬 | 喪中は控えるのが一般的 |
残暑見舞い | 立秋(8月7日頃)〜8月末 | 暑中見舞い同様、文面に配慮する |
暑中お見舞いメール | 盛夏 | カジュアルでも控えめな表現を心がける |
御礼状 | 随時 | 喪中でも使用可、落ち着いた文章に |
喪中の際は、華やかな表現やお祝いの言葉を避け、相手の身の上を気遣う文章を使うのが大切です。
特に、年賀状やお祝いメッセージは送らず、代わりに寒中見舞いや御礼状などを活用するとよいでしょう。
喪中での暑中見舞いや残暑見舞いに関するまとめ

これまで喪中時の暑中見舞いや残暑見舞いについてご紹介してきました。
喪中であっても、相手への思いやりを大切にすれば無理に遠慮しすぎる必要はありません。
しかし、ご自身の気持ちや相手との関係性を考慮して、無理なくご挨拶を送るか判断すると良いでしょう。
送る内容やタイミングに少し気を付けることで、相手にも気持ちよく受け取ってもらえるはずです。
今回の記事が、喪中の時期に適切な暑中見舞いや残暑見舞いを送る際の参考となれば幸いです。
大切な方との円滑なご挨拶の一助となることを心から願っています。