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病院から葬儀までの流れ|夜中に亡くなったときの対応

病院から葬儀までの流れ 葬儀

多くの人の死亡場所が自宅だった時代は、菩提寺の僧侶が駆け付けて読経を行い、そのまま通夜、葬儀と続きました。

しかし、現代は病院で亡くなる人が圧倒的に多く、厚生労働省の調査によると2020年に病院で亡くなった人は全体の68.3%と出ています。

病院で最期を迎えた故人のご遺体は、速やかに病院以外の安置場所に搬送する手配をしなくてはいけません。

病院から葬儀までの流れを把握し、準備できることは事前に準備しておく必要があります。

病院で亡くなったら?葬儀までの流れ

病院で亡くなったら?葬儀までの流れ

大切な人を失ったショックを抱えながらも的確に動かなければならない遺族の心労は、計り知れないものがあります。

混乱した状態では、次にどう動けば良いのかなかなか判断がつきません。

いざというときに慌てないために、病院で死亡した後の流れを見ていきましょう。

ご臨終・死亡診断書の発行

病院でご逝去後は、医師による死亡宣告を経て死亡診断書が発行されます。

なお、死亡診断書は無料で発行されません。有料となり、作成料金は3千円~2万円と病院によって違いがあります。病院で亡くなったときの費用として覚えておきましょう。

死亡診断書は公的年金の請求手続きなどで必要となるので、複数枚コピーしておくのがおすすめです。

末期の水

「末後の水」や「死に水をとる」とも言われ、ご臨終後に行われる宗教儀礼の一つです。

水で湿らせたガーゼや脱脂綿などを故人の口にあてるもので、以下の意味があるとされています。

  • 喉を潤して安らかに旅立ってほしいという願いを込めている
  • 生き返ってほしいという願いを託している
  • 穢れを清める意味がある(神道)

医療が発展していなかった時代には、口に水を含ませて喉仏が動いたらまだ生きていると確認するために行っていたと言われていますが、現代は口の中に水を入れる必要はありません。唇をなぞるイメージで行ってください。

エンゼルケア

ご遺体に対して、看護師が行う死後処理をエンゼルケアといいます。

かつては点滴を抜く、傷口をふさぐなどの医療処置が主でした。しかし、現在はご遺体を生前の様子に近づけることで故人の尊厳を守り、遺族の心のケアを行う側面が大きくなっています。

エンゼルケアに力を入れている病院は増えていますが、病院によってどこまで行うのかは違います。

項目 内容
医療処置 医療器材を外す、気管切開などの縫合、点滴などの傷口のカバーなどを行います。
清拭 お湯やアルコールで全身を拭きます。病院によってはシャンプーなどを行うこともあります。
更衣 故人の着替えを行います。
死化粧 髭を剃る、髪を整えるなど身支度を行います。顔色を良く見せるためにメイクを施します。

死亡診断書の受け取り

死亡診断書や死亡届を役所に提出しないと、葬儀や火葬を執り行えません。

受け取った死亡診断書には死亡届が同一になっているので、無くさないように大切に保管しましょう。

なお、病院で亡くなった場合でも、医師が死因に不信感があれば警察が介入して検視が行われます。その場合は、死亡診断書ではなく死体検案書が発行されます。

葬儀社へ連絡・未定の場合は葬儀社の選定|至急

葬儀社が決まっていなければ、このタイミングで決めなければいけません。

病院から紹介を受けられますが、気が動転している中ですので、葬儀社に言われるがままお願いすることになってしまうのはよくあることです。

意向が実現でき、費用も納得できれば良いですが、「複数の葬儀社に相談したかった」「これは必要なかったと感じるプランが多く、不信感が募っている」など後悔するケースは少なくありません。

可能であれば、事前に葬儀社を決めておくのをおすすめします。

ご遺体の搬送

ご遺体の搬送は、法律上、遺族が自家用車で行っても問題ありません。

しかし、死後硬直が始まっているご遺体を自家用車に乗せるのはとても大変ですし、深い悲しみの中でご遺体を乗せて運転を行うのは安全面で不安があるでしょう。

そのため、一般的にはご遺体の搬送は葬儀社の寝台車で行われます。

葬儀社が決まっていない場合は、病院から紹介された葬儀社に依頼できます。葬儀をお願いする葬儀社は十分検討して決めたいのであれば、「搬送のみお願いしたい」旨をきちんと伝えましょう。

親族への訃報連絡

葬儀の日時や場所などが詳しく決まっていなくても、親族には早めに訃報を知らせておきます。

遠方からやって来る場合には準備の時間が取れますし、親戚が高齢などの理由で参列の判断が難しいケースでは考える時間の余裕を持てるからです。

また、家族葬を執り行う予定であれば、その旨を伝えておくと良いでしょう。

病院を出発・安置

病院の裏口に到着した寝台車にご遺体を乗せた後、病院関係者に挨拶をしてから安置場所に向けて出発します。なお、死亡診断書を持っている人が必ず寝台車に同乗してください。

自宅以外の安置場所には、以下のところがあります。

  • 斎場の遺体安置室
  • 葬儀会社にある遺体安置室
  • 火葬場の霊安室
  • 民間の安置施設

安置場所にご遺体が搬送されると、お通夜までの間は枕飾りが設けられます。枕飾りとは、ご遺体の枕元に設けられる祭壇や供物の総称ですが、お通夜や葬儀のときの祭壇とは異なります。

保冷庫がある安置場所であれば、ご遺体の管理を安心して任せられるなどメリットがありますが、面会時間が限られていたり、そもそも面会ができない場合もあるので注意してください

葬儀社と打ち合わせ

  • 葬儀の日程
  • 葬儀の場所
  • 葬儀の形式
  • 故人の宗教や宗派の確認
  • 参列者の人数
  • 喪主や施主の確認
  • 祭壇や棺、料理、返礼品などプランの決定
  • 受付などお手伝いの人数
  • 支払い方法
    など

故人の宗教や宗派に合わせた葬儀を行う必要がありますが、葬儀社の全てがどの宗教や宗派にも対応できる訳ではありません。

そのため、葬儀社が対応できない宗教や宗派は必ず確認してください。そのまま契約を進めてしまうと、故人の意向に沿った葬儀が執り行えなくなる可能性があります。

納棺

ご遺体を棺に納める儀式を納棺といいます。

納棺はお通夜の前に行われ、手順は以下のとおり。

  1. 末期の水
  2. 湯灌
  3. 死化粧
  4. 死装束
  5. 故人を棺に納める
  6. 副葬品を入れる
  7. 蓋をする

末期の水はエンゼルケアの一環として病院で行われることがありますが、安置場所にご遺体を搬送後、改めて納棺の儀式として行うのが一般的です。

また、湯灌はエンゼルケアの清拭とは違い、故人の体を清める宗教儀礼。かつては遺族が行っていましたが、現在は専門的な知識を持った湯灌師または納棺師が行います。

なお、ここまでは日本の葬儀の大半を占める仏式の納棺の手順となります。神式、キリスト式の手順も簡単にご紹介しましょう。

宗教 納棺の手順
神式
  1. 帰幽報告の儀、枕直しの儀を行います
  2. 棺に褥(敷物)を敷いてご遺体を納め、蓋をして白布で覆います
  3. 祭壇の中央にご遺体を安置後、手水の儀を行います
  4. 祭壇に遺影と供物を供え棺前に着席し、全員で拝礼します
  5. 終了
キリスト式
  1. 神父または牧師が立ち会いの元、祈りを捧げます
  2. 讃美歌斉唱
  3. 聖書朗読
  4. 讃美歌斉唱
  5. 終了

仏式は、僧侶が仏様の教えを説き、供養することで、輪廻転生によって故人が極楽浄土に無事に極楽浄土に辿り着けるという死生観に基づいて葬儀が行われます。

これに対し、神道では魂はこの世に留まり、氏神となって家を守るという死生観を持っているため、納棺の際に「末期の水(手水の水)」や「死装束」など仏式と似た儀式を行うものの、その意味合いは違っています。

通夜・告別式

お通夜は本来、近親者のみで執り行われていましたが、都合などにより葬儀・告別式に参列できない関係者がお通夜に参列するようになりました。近年は、葬儀は近親者、お通夜は友人や会社関係者などの一般会葬者が参列できるものと考える人が多いです。

お通夜の翌日には、葬儀・告別式が行われます。

故人の冥福を祈り、亡くなった人を葬るための儀式が葬儀。故人との最期のお別れを行うのが告別式です。加えて説明を入れると葬儀は宗教儀礼ですが、告別式は社会的儀式となるため、故人の死を悼んでいる人であれば誰でも参列ができます。

通夜の種類 概要
仮通夜 亡くなった当日の夜に、近親者のみで行われる通夜のこと。一晩中線香と灯りを絶やさない「夜通し灯明」を行いますが、近年は省略されることも多いです。
本通夜 葬儀・告別式の前日に行われるもので、一般的に通夜とは本通夜のことを指し、夜通し行われます。
半通夜 本通夜を簡略化したもので、夕方18時~19時頃から2~3時間かけて行われます。現在は通夜=半通夜の認識が広まっています。

火葬

火葬場に移動し、ご遺体を火葬炉にて火葬して荼毘に付します。

一般的に火葬に立ち会うのは遺族や親族の近親者のみですが、喪主にお願いされたなどの理由で一般参列者が同行することもあります。

病院で亡くなったとき故人と家に帰ることは可能?

病院で亡くなったとき故人と家に帰ることは可能?

病院で人生の最期を迎えた故人を、自宅に帰してあげたいと思う家族は多いでしょう。

ご遺体を病院から自宅に運ぶのは、法律で規制されていないので特に問題はありません。

しかし、住宅によっては以下の理由で、故人が自宅で帰るのが難しくなります。

  • 集合住宅で2階以上に住居があり、エレベーターがない
  • 集合住宅でエレベーターがあるものの、ご遺体を乗せたストレッチャーが入らない
  • 集合住宅で他の住民からの許可が得られない
  • 部屋が狭くてご遺体の安置場所が確保できない

これらの理由から、近年はご遺体を自宅に帰さず、葬儀場の安置場所などへ直接搬送するケースが多くなっています。

病院からご遺体を搬送する費用

病院からご遺体を搬送する費用

ご遺体の搬送は、通常は次の2回行われます。

  • 病院から自宅または葬儀会場などの安置場所への搬送
  • 葬儀会場から火葬場への搬送

費用は距離などの条件によって異なり、以下のとおりとなります。

具体的な費用相場

ご遺体の搬送費用は、ご遺体を迎えに行くまでにかかった距離と、病院から安置場所までの距離の合計で算出されます。

葬儀会場(安置場所)から火葬場までの搬送についても、車庫から出て葬儀会場でご遺体を乗せ、火葬場に到着するまでかかった距離が計算されます。

葬儀社の多くでは距離による搬送費用を決めており、目安は以下のとおり。

距離 料金
10kmまで 12,000円~20,000円
以降10kmごとに 3,000円~5,000円が加算

また、ご遺体の搬送には距離だけではなく、搬送に必要な付帯品の料金が別に発生します。

  • 防水シーツ
  • 棺用の布団
  • ドライアイスなど

付帯品一式を全て利用した場合では、3万円~5万円が目安。

この他、病院で車を待機させると待機料金もかかります。

近距離|プランに含まれる場合がある

葬儀社の中には、ご遺体の搬送料金をプランに組み込んでいるところもあります。

業者によって距離は変わりますが、50km以内としていることが多いです。

病院から自宅や、自宅から葬儀場が近くプラン内に収まる場合は、搬送料金を別途支払う必要はありません。

なお、近距離は100km以内とする葬儀社が多く、100km以上は距離に応じて中距離、長距離となります。

中距離|雪道や深夜は割増の場合がある

100kmを超える距離の場合であっても、料金の加算方法は近距離とは変わりません。ただし、特有の理由によって割増料金となるケースがあります。

  • 病院を出発して自宅に到着するまでに夜間や早朝に移動する
  • 高速道路の利用
  • 冬季であれば地域によって雪道を走る

こうしたケースでは、葬儀社の多くは夜間・早朝割り増しや冬季・雪道割り増しを行っています。

遠距離|総重量や距離で変動する

500kmを超える距離は遠距離扱いとなり、高速道路の利用のほか、海を超える場合は船舶または飛行機の利用も検討されます。飛行機の利用では、重量が100kgを超える場合や、大型の棺を使うと別途料金が必要となるので注意してください。

寝台車での搬送でも、長距離ではドライバーは交代する必要があるので、2人分のスタッフの人件費が必要となります。

病院から葬儀までの流れでよくある質問

病院から葬儀までの流れでよくある質問

病院から葬儀までの流れの中でふと疑問を感じても、葬儀社や病院に直接尋ねて良いものか悩んでしまう人は多いでしょう。

よくある質問をまとめましたので、参考にしてください。

夜中に病院で亡くなったら葬儀社にいつ連絡するべき?

深夜に連絡をするのは失礼だから、朝早くに電話をしたほうが良いのでは?など、気を遣う必要はありません。

葬儀社の多くは、24時間365日いつでも連絡を受け付けています。

安置場所への搬送など、決めなければならないことは多いので、速やかに葬儀社へ連絡しましょう。

病院で遺体を安置してくれる時間・期間はどれくらい?

病院で亡くなると、病室からその後は霊安室へと運ばれます。

霊安室が使える時間は病院によって変わりますが、ご遺体安置期間は一般的に2~3時間と短いため、遺族は安置場所と搬送方法を早く決める必要があります。

また、病院には必ず霊安室がある、という訳ではありません。

霊安室がない病院もあるので、エンゼルケアが終わったらすぐにご遺体を運べる状態にしておくのが理想です。

病院で亡くなったら故人の服装は何にすれば良い?

エンゼルケアの一環として看護師が着替えを行う場合、病院が用意した浴衣を身に着けます。

このときに、故人のお気に入りの服を着せたいなどの希望があれば、受け入れてくれる病院もあります。

病院から葬儀までの流れは短時間で決めることが多い

病院から葬儀までの流れは短時間で決めることが多い

病院で亡くなると、葬儀の前にまずはご遺体の安置場所を決めて搬送しなくてはいけません。病院の霊安室は長時間使えないので、気が動転している中ですぐに決める必要があります。

また、故人の逝去後に葬儀を執り行うまでは3~5日が平均で、亡くなってからの日数が短いこともあり、病院に案内されるがまま葬儀社に搬送の依頼から葬儀まで任せてしまい、思い描くような葬儀ができなかったと後悔する遺族は多くいます。

故人の希望を叶え、遺族としても満足できるお葬式をするには、病院で亡くなった後の流れを把握し、事前に搬送方法や葬儀を執り行う式場や葬儀社を決めておく必要があるでしょう。